手動ガス圧接

ガス圧接継手

ガス圧接継手は、鉄筋端面同士を突合せ、軸方向に圧縮を加えながら、突合せ部分を酸素アセチレン炎で加熱し、接合端面を溶かすことなく、赤熱状態にし、ふくらませて接合した継手です。
接合端面は、まずグラインダーなどによって異物(サビ、セメント、ペンキなど)を取除き、きれいにします。そして、鉄筋端の突合せ面に大きな隙間が生じないように、できるだけ直角に仕上げます。次に、鉄筋端面同士を突合せ、適当な圧力を軸方向に加えながら保持します。加熱初期には、アセチレン過剰炎(還元炎)を用い、加熱による接合面の酸化を防ぎながら、突合せ部を一様に加熱します。油圧ポンプにより、鉄筋の突合せ面に力を加え、接合面が閉じた後は、中性炎で加熱します。さらに加圧をかけながら幅焼きに移行し、圧接部をなだらかな形状に仕上げます。加熱時、接合部材の最高温度は1200~1300℃になります。

ガス圧接の工程
ガス圧接の工程
 
ガス圧接の原理
ガス圧接の原理

ガス圧接継手とは

土木・建築構造物の多くは鉄筋コンクリートで作られています。
最近の高層集合住宅のほとんどが鉄筋コンクリート構造です。コンクリートの中に配置されている鉄筋をつなぐのがガス圧接です。この技術は一般にはあまり知られていない構法ですが大型構造物の信頼性を左右する重要な役割を果たしています。
鉄筋をつなぐ方法には、鉄筋を一定の長さに重ねあわせる重ね継ぎ手、カプラーなどによって鉄筋をつなぐ機械式継手、溶接による継手、鉄筋を加熱・加圧しながらつなぐガス圧接継手の4つの工法があります。
熱間押抜法は、手動ガス圧接の圧接直後のふくらみをせん断除去する工法です。その特徴は施工と検査が同時に行えることです。
構造上重要な鉄筋継手の施工実績でガス圧接は、もっとも普及している工法です。ガス圧接継手は鉄筋と鉄筋が直接接合されるところに最大の特徴があります。このガス圧接工法は最初鉄道のロングレール化を目的に開発されました。ロングレールは乗り心地の改善、振動・騒音の低減、保守作業の簡易化、さらに新幹線の高速安定走行の確保に大きく貢献しています。
このガス圧接技術を鉄筋の接合に応用したのは日本が初めてで、昭和20年代後半(昭和29年頃)のことです。以来丸鋼だけでなく、異形鉄筋・高強度鉄筋等の接合に適用され今日、土木・建築工事に欠かせない技術として広く定着しております。高層集合住宅にも先組工法にもガス圧接工法が用いられています。